SORATABI diary

ときどき韓国暮らし

駅印帳 デビュー!

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駅印帳 博多駅にて

その音を耳にすると、反応的に窓の外に目を向けるようになった。マンションの合間から所々走り抜ける姿を見せる電車。私と1歳半になる息子は電車を見ると大喜び。電車が通過することは日常的なことではあるが、ベランダから眺める風景に動きがあると、毎日見ても飽きないものである。休日は息子と一緒に最寄り駅に行って電車見学。息子が電車に向かって手を振ると、運転士さんが笑顔で手を振ってくれたり、時には運転士さんから鉄道カードを頂いたり、子どもならではのサービスに大人もうれしくなったりする。

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子どもと電車見学

子どもと一緒に駅に遊びに来ているときに気付いたのだが、駅の窓口辺りに「駅スタンプ」の張り紙を見つけた。どうやら、各駅に駅のシンボルマークをデザインしたスタンプが備えられているようだ。通勤でほぼ毎日利用している駅であったが、初めてそれに気が付いた。いつも慌ただしく行き来する改札口は単なる通過点だったので、今まで気付くことができなかったのだろう。ざんねんながら、スタンプを押せる用紙を持ち合わせていなかったので、次回、何かを準備したうえでいただくことにした。

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駅スタンプポスター

家に帰宅する途中、スタンプを押すためのノートでも購入しようかと考えていたところちょうどよいものを思いついた。それは、私が勤めている会社で作製している「御朱印帳」であった。御朱印帳は神社などを参拝した際の証としてそれに御朱印を記帳していただくものである。数年前から若者の間でも御朱印帳を片手にあちらこちらの神社やお寺を巡って御朱印を集めることが流行っている。人気のある神社などでは御朱印をいただくために長蛇の列ができるところもあるようだ。その御朱印帳を少しアレンジして駅のスタンプ帳を作製してみようと思った。

アレンジすると言っても簡単なことである。表紙に記載してある「御朱印帳」の文字を変えるだけである。まずは、ネーミングである。何にしようか。「鉄印帳」は既に存在する。「鉄印帳」は一部の鉄道会社が協賛して行っている企画で、御朱印の駅バージョンみたいなものである。神社と同じような形式の御朱印を駅でいただくことが出来るというものである。私が考えているのは駅のスタンプを頂くためのものである。いろいろと考えて「駅印帳」と名付けた。早速、会社で試作品を作製した。既存の御朱印帳に「駅印帳」と箔押しした。ベースのデザインが良くできているおかげで、仕上がった「駅印帳」は思った以上に出来が良かった。

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博多駅のスタンプ

次の週末、子どもと一緒に駅を訪れた。子ども用と自分用の2冊の「駅印帳」を準備した。正確に言うと、大人一人でスタンプをもらいに行くことが恥ずかしくて、子どもに付き添ってもらったようなものだ。改札口の駅員さんに声をかけてスタンプを頂くことにした。駅員さんは机の隅からスタンプを取り出した。スタンプは自分で押させてもらえる。子どものに一つ、自分に一つ押した。直径5センチほどのスタンプは「駅印帳」の大きさと比べると少し小さなものではあるが、1ページにいくつか押せることを考えるとそれはそれでいいかなと思う。

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福岡市地下鉄のスタンプ

私が利用している鉄道は全部で36か所の駅がある。つまり、駅のスタンプが36種類存在する。すべての駅は市内にあるので遠くではないのだが、各駅を訪れてスタンプをもらうことは結構な労力になりそうだ。インターネットで駅のスタンプについて検索してみると全国の様々な鉄道会社の「駅スタンプ」が存在していることを知った。しかも、鉄道だけでなく高速道路のサービスエリアなどにも存在するようだ。それを知って、ますますスタンプに興味を持ってしまった。無理して集めることは負担になりかねないので、出かけた時のついでに集めることにした。

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2種類の博多駅のスタンプ

ニュースでは「脱ハンコ社会」が促されている。手続きの簡素化、迅速化は社会全体において非常に効率的なシステムであると思う。電車の乗車券もひと昔は駅員さんや車掌さんが消印を押すこともあったが、今では自動改札機の普及に伴い私が生活しているエリアでは見かけなくなった。過去に福岡から東京に行ったときに、いつも通勤で使っているICカードだけを利用して東京の電車やバスを乗り継いで目的地まで行くことが出来たときは驚いた。事前にICカードに現金をチャージしておくことで、旅先で交通機関を利用する際に料金を調べて切符を購入する手間が省けてスムーズに乗り換えをすることができ非常に便利であった。

しかしながら、「脱ハンコ」に残念なことを感じることもあった。それは、海外に旅行に行く際にパスポートに押してもらうスタンプが原則的に不要になってしまったことである。スタンプは国によって様々なデザインがあったので、パスポートに集められるスタンプにコレクション的な楽しみを感じていた。以前は入国審査官によって出国時及び、入国時にパスポートに承認のスタンプを押してもらっていたが、こちらも電子化に伴い鉄道の駅と同じく「自動改札」のようになってしまった。それによって、パスポートを機械でスキャンしたり、顔認証をするだけで審査を通過できるようになり、審査にかかる時間も大幅に削減され便利になった。日本だけでなく韓国などでも「自動改札」が導入されており、国際的にも「脱ハンコ社会」が促進されているようだ。その影響でパスポートは空白ページばかりでそっけないものになってしまった。

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博多駅前にて

私が駅のスタンプの存在を知り、「駅印帳」でスタンプを集めるようになってその価値に改めて気づかされた。鉄道好きや旅行好きの方々にとってスタンプは旅の証となり、コレクションにもなる。電子化や脱ハンコ社会によって駅スタンプの存在はだんだん薄れていくかもしれないが、この「駅印帳」によって駅スタンプの存在を多くの方々に知っていただき、旅行の価値や楽しさをより感じてもらうきっかけになってもらえたら幸いである。

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